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旅行の紀行文は追ってコンソートHPで紹介されるでしょうからしばらくお待ちください。留守中私たちを応援くださった皆様に感謝の気持ちを込めて、ここではオラディア国立交響楽団との出会いの3日間をご報告します。(ブログのほうも何日間にわたって、になってしまいますが・・・)
Tue, March 24
ホテルからタクシーで5分ほどでThe Philharmonic Symphony Orchestra (Filarmonica de Stat Oradea)のコンサートホールに着く。最初にオーケストラ芸術監督の部屋に案内されArtistic directorのCorneliu Cristeaにご挨拶。氏自身ヴァイオリニストとしてこの楽団に所属され、オケメンバーとして幾たびも日本を訪れているとのこと。とても暖かくお迎えくださった。彼に案内されてホールへ。さすがハイドンの弟ミカエルが音楽監督を務めたというだけあって古風な、そしてエレガントなコンサートホール。客席は800人ほどか。ここでこのオケは毎週木曜日に定期公演を行っている。私たちの公演は200年の秋・冬シーズンのファイナルコンサートとして街角にポスターがあちらこちら貼られていた。コンサートマスターにご挨拶。流暢ではないけれど英語が話せる人だったので一と安心。
Beethoven: Piano Concertoの「皇帝」から練習開始。最初のEs-durの全音符を振り下ろした。とたんにオーケストラの信頼を得たと感じた。オーケストラが最初の主題を弾き終えたところで「若々しいハートのベートーベンを、と考えています。ご協力ください。」と申し上げて、細部を指示しながら練習を進めました。この日は一楽章を重点的に、2楽章は省き、3楽章は通すだけの練習となりました。
M. Nakazawa: Overture for the opera Oribe-Yaki-Monyo
中澤道子さんのオペラ「おりべ文様」序曲を基に私がオペラ全体から数箇所セレクトして、それらをあちらこちらに配置してこの演奏会のために再編成した作品。驚くなかれ、事前にオーケストラからパート譜の請求がなく、この日に手渡しということに。私以上にオケメンバーは不安に違いありません。「一つ一つ説明をしながら練習を進めますので、神経質にならないでください。最初はフルートのソロですから小節数は数えなくていいです。練習番号1になりましたら、両手をこんな風にそろえますから」と練習を始めました。彼らの戸惑いと不安が初日の練習で消えたことは大きな成果でした。
A. Vivaldi: Gloria
この日はオケだけの練習。私はテンポと音楽の方向性を伝えるだけ。時々バランスと装飾音符のことでとめただけで全く問題なしでした。ただ一つ通奏低音のチェロのおじさんが頑固で、やたら「こうあるべき」と譲らない。でも英語がとても上手。この謎は後日判明。あとで書きます。
こうして初日のオケ練習が終わりました。最初客席控えて下さっていたチプリアン氏も通訳の必要なしと安心したのか、いつのまにかいなくなっていました。コンマス氏が僕の英語を理解してメンバーにルーマニア語とマジャール語でメンバーに伝えてくれたことに感謝。我田引水ながら私の指揮のテクニックが共通語として通用したことを心ひそかに喜んだのでした。
2時間余りの休憩の後、オラディア国立交響楽団合唱団との合唱練習。さすがに月に一度の割合で定期演奏会を開くというプロ合唱団だけあって、見事な声量と声質。でもでも・・・食いつきが遅い。バロック音楽をうたいなれていないと見た。「You are always behind me!」を連発。でも敵対関係ではなく友好関係を築くことが出来たのはよかった。ソプラノとメゾのソリストは若手の澄んだ声の持ち主。ただ経験不足なのでしょう。僕の前で気の毒なくらいとても緊張していた。それにしてもチェンバロの女史は英語がやたらうまかったけれど、この人も頑固だった。-続く-
予定変更でこの日は午後13時からの練習。先ずは昨日出来なかったピアノ協奏曲2楽章から。冒頭の弦楽器の第一主題のレガートがまるで上質のシルクのように美しい。それに僕のカンタービレの指揮にぴったりついてきくれる。こんなにうまくいくとは・・・・まさに夢心地、至福のときでした。3楽章は多川さんの軽快なピアノが冴えて、オケをリード。最後のティンパニーとピアノの二重奏もぴったり、その後の激しく追い込むフィナーレも指揮とオケが寸分たがわずうまくいきました。
おりべ序曲。冒頭のFlute嬢。ものすごく勉強してくれて、昨日とは全然違った。まさに日本の音に豹変していたことにびっくり。彼女、あまり英語が出来なくて不安だったけれど、どんどん彼女は僕の意図を理解してくれた。Oboeには「ここは好きな男を追って、川に入水自殺するシーンです」と説明すると、せつなさいっぱいに表現してくださった。打楽器の方に「もう少し深い音のするTom-tomを用意してください」と申しあげたら「このオケにはないので、明日友人に借りてくることにしましょう。ルーマニアのオケは豊かではないのです。」と。国立オーケストラといえども、空調完備の楽器庫もなければコンサートマスター部屋があるわけでもない。日本のプロオケがいかに恵まれた環境にあるのかと思い知らされた瞬間でした。
Vivaldi Gloria。今日はソリスト・合唱団もそろってオケとの合同練習。このときにまで僕には宿題がありました。前日まで8番のアルトソロと合唱、9番のアルトソロをカットすると発表していたのですが、例のチェロの首席とアルトソリストから「なぜこの美しい曲をカットするのか」と問われていたのです。結局彼らの勢いに負けて(!?)全曲演奏に。この決断を聞いた二人の喜びように対して、コンソートのMちゃんには「私が体調崩して寝ている間に曲が増えていた!!」と笑いながら言われてしまいました。合唱団は日本側とオラディア側が入り乱れた立ち位置で歌ってもらいましたが、なんだか双方とも勝手が違って歌いにくそうだったので、これは翌日に立ち位置を指定することに。双方の楽譜の版が異なったため、2箇所の音の違いをオラディア側の合唱指揮者(彼については後日記載)が指摘してくださった。コンソートは見事に対応してくれたため大問題にいたらなかったのはさすが。特筆すべきはOboeが華麗な装飾を施してくれて、優美な牧童の笛になったこと。みんなの「いい音楽のために」という思いを、国境や言葉の壁を越えて共有していることを思った練習時間でした。
夕刻は同じホールでチプリアン氏と多川響子さんとリサイタルが行われました。ここのオーケストラでは、定期演奏会の独奏者による室内楽のリサイタルをよくするとのこと。チプリアン氏(ヴァイオリン)の確かなテクニックと豊かな音楽性が、また多川響子さんの華麗かつ繊細なピアノが披露されました。
チプリアン氏の愛弟子のこうき君(小学2年生)がこの演奏会にゲスト出演。バッハのガボットを披露して、大きな拍手を浴びていました。
練習の終了後、僕は地元新聞社のインタビューを芸術監督室で受けた。予定されていなかったことなので慌てたけれど、インタビューアのきれいな英語ときれいな響きに聞き入ってしまった。
昨日、たくさんのオケや合唱メンバーから「明日のゲネプロは何時から?どの順番で?」と尋ねられた。最初のうちは丁寧に「9時半から、演奏会のプログラム順でさせてください。」と答えていたが、度重なる同じ質問に面倒くさくなってきた。事前にインフォーメーションを流しているのに何故?・・・。其々のセクションの責任者が「あなたが私たちとこの2日間練習なさって、明日の稽古にはどの曲にどれだけの練習時間が必要か最終のご判断を」とマエストロに対しての最高の礼を尽くしたお言葉だったとあとでわかった次第。
2階ロビーでチェロのTopsideの若い奏者が練習していた。「あなたの隣の首席の方は頑固ですね」と話しかけたら、上手な英語で「わずか2日の練習であなたがそれを見破るとは驚きです。彼はロスアンジェルスで独奏者として活躍した人で、オケの経験がありません。だから僕たちの間でもよく話題になるのです。」との答え。この会話がきっかけですっかり仲良しに。
コントラバス首席を探して話しかけた。そしたらドイツ語が返ってきた。「通奏低音でチェロとあわしにくいのであれば、チェロだけにしましょうか。」と提案したら彼曰く「昨日は彼の音が良く聞き取れなっかからうまくいかなかっただけ。ご心配には感謝しますが、大丈夫です。」との言葉。
チェロ首席を見つけて「今日はよろしくお願いします。」とご挨拶。そしたら「Gloria全曲することを妻に伝えたら、彼女も喜んでいました。家内は今回のチェンバロ奏者ですよ。」 ギャー!!どおりで彼女の英語が上手な謎が解けた!!そして共通の頑固さの謎も!!!
わずか3日の付き合いだったけれど、色んな人と色んな話をしたものだと、自分自身感心してしまう。
いよいよゲネプロ開始。冒頭のおりべの序曲。すっかりオケはこの曲を理解し、彼ら自身が楽しんでくれている様子。打楽器奏者は僕がお願いしたTom-tomを準備してくださった。感謝。Vivaldi Gloriaは昨夜のうちに準備した合唱団の立ち位置のせいか声にまとまりがでてきた。昨夜の室内楽コンサートでベートーベンのソナタ独奏やヴァイオリンの伴奏でお疲れのはずの多川響子さん、そんなことを微塵も感じさせない集中力で素晴らしいピアノを奏でてくださった。オケは安定感を増し、僕の要求にも快く答えてくれた。(いまだからいえるけれど、演奏会よりも高い完成度だった。)
達成感と満足感でゲネプロを終え、ホールを出たとたん、この3日間オラディアの街を一歩も歩いていないことに気づいた。明日はこの街を去るというのに・・・。地図ももたずに、適当な方向に歩きだした。中世のたたずまいと、さわやかな空気が心地よかった。目抜き通りを散策し、お得意の「体内ナビ」は迷うことなくホテルに僕を導いてくれた。
ホテルのルームサービスでオムレツを注文し、ご飯と味噌汁で遅い昼食を作ってもらった。旅に出てはじめての日本食だった。
満腹になった僕は本番までの数時間をひたすら楽譜とにらめっこ。
------------------------そして演奏会---------------------
フォーマルな演奏会と知り、久しぶりの燕尾服姿です。音楽監督室にて。
演奏会の様子
演奏会前後に芸術監督と合唱指揮者の表敬訪問を受けた。
打ち上げパーティーで。
(素晴らしいソロを聞かせてくれた左FLと右SOP)
ルーマニアでの多くの出会いと、
コンソートの皆さんの暖かいサポートに心から感謝してます。
そしてこの旅の皆様のご支援ありがとうございました。
新年あけましておめでとうございます。
HPの各ページを統一デザインにしたくて、このお正月をそのときに当てました。
おかげでまだ年賀状もかけていません。
早々に年賀状をくださった皆様には申し訳ないことです。
第九のスコアーの上にちょこんとのっているクマさんがポイントです。
さてお正月明けには大きなプロジェクトがいっぱいです。
1. ルーマニア演奏旅行。
バイオリンのチプリアン氏の推挙により、ルーマニアのオラッディア国立交響楽団との共演が3月に控えています。
この交響楽団、音楽史を勉強したした人ならご存知の
「エステルハージ候がハイドンに与えた当時最大のオーケストラ」を
その設立にしていると知って、俄然意欲が沸いてきました。
是非合唱団として、あるいは応援団としてご参加ください。
2. 新しく大阪コンソート金曜組の発足が具体化しそうです。
一万の第九の富岡組とJAMCAでの合同演奏にご参加くださった方々が中心となって呼びかけてくださってます。
3. アマチュアオーケストラの発足の働きがあります。
是非これも成功させてたいと願っています。
今年も気長によろしくお付き合いください。
秋の演奏会のご報告は年賀状を書いてから更新しようと思っています。
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今後のインフォーメーションはここでご連絡します。
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今後のインフォーメーションはここでご連絡します。
●11月29日お知らせ
前日リハ 11月8日<月)19:30スタート 集合時間、場所はおってご連絡
今回参加の方の条件は、
暗譜で第九を歌える方
当日及び前日リハの参加がかならずできる方
ステージ衣装は
男性は上下黒の棒タイ
女性は白黒
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